私たちの使命:「人工知能と翻訳者の能力を組み合わせ、より高品質な翻訳業務を可能にする。」
Pangeanic が実現します!ユーザーエクスペリエンスごとにパーソナライズした人工知能が誰にでも使えるようにします。ワンクリックで誰もがアクセスできるデータと情報。言語の壁を越えて、情報への平等なアクセスを通じて情報に基づく意思決定を行うために、個人と組織の平等を促すことを目指します。
Pangeanic のこれまでをご紹介します。
Pangeanic 設立当時はどんな様子でしたか?会社の設立時期、そしてその目的は?
Pangeanic の始まりは、B.I Corporation がB.I Europe として英国マンチェスターに子会社を設立した1990年代後半になります。当初、日本の有名企業向けに翻訳をご提供していました。2000 年には会社をスペイン バレンシアに移転し、2005 年には、バレンシアのポリテクニックとヨーロッパの大学との協業により、世界で初めてモーゼス(統計翻訳機械)を商用化しました。そこから機械が生成した訳文を翻訳者が編集(ポストエディット)する業務が始まりました。その後、徐々に機械翻訳事業が拡大し、自然言語処理(NLP)技術に特化し、ニューラルマシン翻訳(NMT)、翻訳メモリ管理、匿名化などでヨーロッパの数々のプロジェクトに参加するようになりました。
社名の "Pangeanic" の由来は?
パンゲアは古代の地球上に存在した単一の大陸に付けられた名前です。Pangeanic には、「共同体」の哲学があります。これは翻訳にも通じることです。他者の考えを理解し、コミュニケーションと情報によりチームが成立します。
Pangeanic のチーム構成はどうなっていますか?
会社は2つの部門から成り立っています。翻訳専門部門と技術開発部門です。
翻訳専門部門は、バイリンガル/トライリンガル(スペイン語、英国、フランス語、ドイツ語、ベルギー語、日本語、中国語など)のメンバーで構成され、翻訳、校正、ポストエディットの業務にあたり、プロジェクトマネージャが調整し、翻訳業務を整理します。
人工知能を中心とした技術者やコンピューターサイエンティストで構成される技術部門は、自然言語処理に応用された新技術の活用に関わる業務を担当しています。
大量のデータから重要な情報を抽出し、分野別に自動分類し、自動翻訳エンジンと匿名化サービスの改善に役立てています。
パンジアニックの専門分野とクライアントは? クライアントはどこにいますか?
パンジアニックは、翻訳を提供します。最短時間で最高のサービスを提供し、最高の品質をお届けするよう努めています。純粋な人間の翻訳、ポストエディット、校正のいずれであっても、豊かな経験に裏付けられています。作業はすべて優秀なスタッフが担当します。パンジアニックが開発した翻訳システムを使うときでさえ、翻訳は常に翻訳者によってレビューされます。
お客様は、スペインはもとより、ヨーロッパ、アジア、アメリカにまでいらっしゃいます。もちろん、日本にも多くのお客様からご注文をいただいています。
お客様の翻訳業務についてお聞かせください どなたが担当し、どのようツールを使って翻訳を進めますか?
翻訳で使用するツールは作業の目的によって異なります。たとえば、SDL Trados、MemoQ、Memsource などの翻訳支援ツールがあります。Pangeanic には、自社開発のツール Pecat があり、Xbench や QA Distiller のような翻訳チェックツールも使用しています。
プロジェクト管理のために、プロジェクトマネージャはXTRFを使用します。
技術部門では、端末から実行するリモートサーバー用のプログラムを作成しますが、使用する前にローカル環境でテストします。ローカル開発では、通常、PyCharm、Anaconda、Visual Studioなどの開発環境を使用し、プログラムが動作するまでプログラムを記述してテストします。プログラミングで用いるのは通常 Python ですが、サポート部門では Shell、マーケティング部門では Javascript も使用します。
会社設立からのエピソードを聞かせてもらえますか?
最近、タイの翻訳者にプロジェクトの依頼で連絡をとりました。業務依頼の契約書には日付が、2564年とありました。はじめは意味がわかりませんでしたが、タイでは釈迦の入滅の年を「0年」として、西暦よりも543年早く始まっていたのです。世界中の人々と仕事をするのは楽しく、心が通いあい、他国の文化や習慣を知る機会になります。
パンジアニックは、他の翻訳会社と比べてどこが違いますか?
会社を構成するスタッフだと思います。
現在、技術部門を拡大させ、翻訳会社だけでなく、自然言語処理システムの会社になりつつあります。言語と技術の両輪が間違いなくパンジアニックを特別なものにしています。
翻訳業界が直面している主な課題は何だと思いますか?
人工知能(AI)の成長と発展。うまく活用すれば非常に前向きな結果になりますが、リスクもともないます。
AI を応用した機械翻訳は短時間でより多くの翻訳を可能にしますが、翻訳者を AI に差し替えることは想定されません。翻訳者は、どの翻訳プロジェクトでも常に必要になります。なぜなら、AI による機械翻訳は非常に優れていますが、人間の脳だけが検出できるニュアンスや皮肉を検出するのは困難であり、完璧ではないからです。
AI の進歩は、コストを削減するための選択肢としてだけではなく、翻訳に用いる新たなツールとして扱うべきであり、正しく使用されるべきものです。クライアントを欺く意図は決してありません。
コロナウイルスの影響はありましたか?
コロナ禍に適応することはパンジアニックにとって試練でしたが、同時にそれはチャンスでもありました。地元バレンシアに住んでいないスタッフたちに良い影響がありました。彼らは故郷に戻って仕事と家族のバランスをとることができました。リモートワークはすでに取り入れようとしていました。遠距離で孤立を感じるのではなく、新たな仕事のスタイルとなりました。この状況がリモートワークへの移行を加速させましたが、パンジアニックの使命とビジョンに沿ったものでした。
チームの半分は在宅勤務です。残りの半分はオフィスで働いています。メンバー同士が直接会う機会は減りましたが、テクノロジーによって、新たな方法で接触を続けることが可能になりました。より広い視野で見ると、両方の働き方がメンバーに受け入れられています。
近い将来、改善や変更の計画はありますか?
Pangeanic では、常に改善に取り組んでいます。
その取り組みには、EU 諸国を対象にした自動翻訳システムのサポート、データ分類プロジェクトの遂行、複数言語での匿名化サービスの開発、主要な翻訳支援ツール(Trados、MemoQ、Memsourceなど)のプラグインの作成、サーバーをホストするデータセンタの特定などがあります。
一方、9月からはバレンシア港ランザデラの事務所での勤務も始まりました。ランデゼラは企業のインキュベータとアクセラレータとして機能し、他の業界とのネットワークを広げる機会をもたらします。