言語、文化、市場を隔てる境界線が存在しない世界を想像してください。次に、想像したその世界を構築するために価値あるアイデアを交換し、具体化することができる場所を思い描いてください。
LocWorldと呼ばれるそのような場所が現実に存在します。LocWorldは、国際ビジネス、翻訳、ローカライゼーション、グローバルウェブサイト管理について議論する世界有数の会議にほかなりません。
新たな国際市場への参入を目指す企業を対象としたLocWorldは、ダイナミックなプレゼンテーション、パネルディスカッション、ネットワーキングの魅力あるプログラムのもとに、さまざまな組織とプロフェッショナルを引き合わせます。
アジア言語は、機械翻訳のグローバルな取り組みに重要な課題を投げかけます。国際舞台におけるアジア市場の強みと重要性が増すにつれて、アジア諸国との、またアジア諸国間でのスムーズかつ正確なコミュニケーションを図る必要性がますます顕著になっています。
PangeanicのCTOであり、デジタルインフラストラクチャーの経験豊富なエキスパートであるアマンド・エステラは、15年にわたるIBMとの仕事や、CISCOやCapGeminiなどの多国籍企業との共同作業を行っており、この興味深く、複雑なLocWorldWide45のプレゼンテーションにおいてPangeanicのプレゼンスを高めるうえで中心的な役割を果たしました。
課題には解決策をもって対応するべしという前提のもとで、アマンドは、機会とイノベーションに満ちあふれた視点から聴衆に語りかけました。言語の複雑性に対応できるように機械を訓練するには、人間の参加が不可欠であることをアマンドは特に強調しました。
アジア市場が言語産業に大きな課題を突きつける理由はさまざまであり、その理由も性質が一様ではありません。そもそもアジアは、消費者が細部に至るまで完璧で最高水準の仕上がりを期待する、要求が非常に厳しい市場です。
アジア市場向けの翻訳では、量より質を優先することが肝心です。なぜなら、組み合わせや文字体系が非常に多岐にわたるため、文章を正しく構築するのに必要なアルゴリズムの数が多いからです。
さらに、アジア言語の組み合わせによる対訳データが非常に少ないことは、用例を収集し、解釈することで成り立っている機械翻訳にとって大きな制約になります。このような理由で、機械翻訳ソフトウェアにとっては、英語から簡体字中国語への翻訳のほうが、例えばベトナム語から簡体字中国語への翻訳よりはるかに簡単なのです。
日本語は、構造の変化が幅広く、文法が複雑なこともあって、翻訳が非常に難しい言語だとされています。日本語には3つの異なる文字体系があるうえ、方言も多岐にわたります。
今回の会議では、他のアジア言語と同様に、日本語の場合も、方言同士がどれだけ似通っていても、利用者は特異性の高い翻訳を期待していることがわかりました。そのため、すべてのテキストとすべての構文を分析して、自然な結果が得られるように、常にツールを再調整する必要があります。
また、日本語では単語の代わりに仮名や漢字を使うため、独立した用語だけでなく、概念も翻訳する必要があります。したがって、日本語から韓国語への翻訳のほうが韓国語から日本語への翻訳よりはるかに容易なのです。これは興味深いことです。
日本においてPangeanicを代表する新会社は、日本語翻訳サービスを必要としているクライアントに強力な付加価値を提供します。Business Interactive Japanの吸収合併を通じて、Pangeanicは、日本有数の翻訳会社として日本の機械翻訳市場に参入する運びとなりました。
この重要な一歩は、日本語を母語とする人材、革新的な技術、高い基準で知られる文化を拠り所として、Pangeanicがアジア市場においてヨーロッパ言語の翻訳の完璧な品質にさらに近づくための手段です。
Pangeanicでは、テキストを翻訳の対象ではなく、変換の対象と捉えています。ニューラルテクノロジーの助けを借りて、PangeanicのECOプラットフォームは、機械翻訳と人間による翻訳との間のギャップを解消する深層適応型の機械翻訳サービスを提供しています。
深層適応型ツールを使用すれば、利用者はMT(機械翻訳)モデルを一人一人のニーズに応じてカスタマイズできます。高品質な翻訳を安全に提供するように設計されたECOは、迅速でアジャイルなコンテンツ管理を促進すると同時に、常に進化しており、将来私たちにもたらされるあらゆる価値を吸収しています。